はじめに
「この香り、なんだか懐かしい…」
ふとした瞬間に感じた香りが、思いがけず昔の出来事や風景を思い出させてくれる——そんな体験はありませんか?
場所、人、感情、気温、音…。まるでタイムマシンに乗ったかのように、香りが記憶と感情を結びつけることがあります。
この記事では、「香りが記憶を呼び起こす」と言われる背景と、日常の中で香りを“記憶のきっかけ”として使うためのヒントをご紹介します。
なぜ香りは“記憶”と結びつきやすいのか?
香り(嗅覚)は、私たちの脳の中でも、感情や記憶に深く関わる領域とつながっています。
視覚や聴覚と異なり、嗅覚は脳の「感情や記憶の中枢」とされる大脳辺縁系に、ダイレクトに届くルートを持っています。
そのため、香りは「感じた瞬間に思い出がよみがえる」ような独特の感覚を生みやすいと考えられています。
香りがふとした記憶と重なり合う感覚は、誰にでもある“身体の記憶”とも言えるかもしれません。
香りを“記憶のきっかけ”として使う3つの工夫
① 香りで「体験」をより深く覚える
ある香りを特定のシーンとセットで使うことで、その時間の印象がより強く心に残ることがあります。
例:休日の朝に柑橘系の香りを取り入れると、「あの心地よい朝の気分」を思い出しやすくなるかもしれません。
② 香りを「切り替えのサイン」として使う
仕事の始まりや1日の終わりなど、区切りのタイミングで香りを取り入れると、自然と気持ちにメリハリが生まれやすくなります。
例:仕事前はローズマリーのようなシャープな香り、夜は白檀やラベンダーの穏やかな香りなど、時間帯で香りを変える工夫も◎
③ 香りで「自分を思い出す」
ポジティブな体験や落ち着ける時間とともに香りを記憶しておくと、再びその香りに触れたとき、自然と安心感が広がることも。
それはまるで「自分が大切にしてきた時間」をもう一度感じるような、小さな再会のようです。
実践:香りを自分の記録にしていく
ステップ①|香りを“場面”に結びつける
朝の支度、夜の読書、休日のくつろぎ時間など、日常の流れに合わせて香りを使ってみましょう。
毎回同じ香りにすることで、「この香り=この時間」という記憶が少しずつ育っていきます。
ステップ②|香りの体験を記録してみる
どの香りを、どんなときに使って、どんな気分になったか。
小さな「香り日記」をつけてみることで、自分にとって心地よい香りの傾向が見えてくることもあります。
ステップ③|お香を使った香りの時間づくり
お香は、火をつけて置くだけのシンプルな使い方。
部屋全体に香りが広がり、自然と気持ちが落ち着く空間をつくりやすい点から、忙しい日々の中でも無理なく取り入れられるアイテムとして選ばれています。
まとめ|香りが“自分らしさ”をつなぎ直す
香りは、単なる香りではなく、記憶や感情、そして「自分らしさ」とつながるひとつのきっかけになります。
忙しい日々のなかで、自分が何を感じ、どう過ごしてきたのかをふと思い出せる瞬間。
そんな静かな時間をつくってくれるのが、香りの持つ力かもしれません。
今日から少しだけ、「香りとともに記憶を育てる時間」をはじめてみませんか?
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